オプション工事とは？家づくりで知っておくべき基本知識
新築の家づくりを進める中で、必ず直面するのが「オプション工事」の選択です。夢のマイホームを建てるとき、標準仕様だけでは物足りないと感じることがあるでしょう。でも、あれもこれもと追加していくと、予算はどんどん膨らんでいきます。
オプション工事とは、住宅会社が定める「標準仕様」からはみ出る部分の工事のこと。キッチンのグレードアップや、お風呂へのテレビ設置、屋根裏収納の設置などが典型例です。
牛丼屋さんで味噌汁やサラダをトッピングするような感覚に似ていますね。基本メニューにプラスして自分好みにカスタマイズするわけです。
重要なのは、「標準仕様」と「オプション工事」の境界線は住宅会社によって大きく異なるということ。ある会社では標準仕様に含まれる設備が、別の会社ではオプション扱いになっていることも珍しくありません。
例えば、窓の網戸が標準ではなくオプション工事という会社もあります。「網戸なんて当然ついてるでしょ！」と思いがちですが、そういった「当たり前」と思える設備こそ、事前確認が必要なのです。
契約後に「これもオプションです」「あれも追加料金です」と言われて予算オーバーになる事態は避けたいですよね。
だからこそ、家づくりの早い段階で標準仕様を確認し、必要なオプション工事を見極めることが大切なのです。
必須のオプション工事ランキングTOP5
家づくりで「これだけは外せない！」というオプション工事があります。建売住宅や注文住宅に関わらず、生活の基本となる設備は優先的に検討しましょう。
実際に多くの住宅購入者が選択している必須オプション工事をランキング形式でご紹介します。
1位：エアコン設置
多くの住宅では、エアコンが標準装備されていません。日本の四季を快適に過ごすためには欠かせない設備です。特に夏の猛暑や冬の厳寒期には健康を守るためにも必要不可欠。
費用相場は1台あたり8万〜10万円程度。リビングだけでなく、寝室や子ども部屋など、主要な居室には設置を検討すべきでしょう。
入居直後から快適に過ごすためにも、あらかじめ設置しておくことをおすすめします。後付けよりも新築時の設置の方が、配管ルートの自由度が高く、見た目もスッキリします。
2位：照明器具
建売住宅の標準仕様では、電球を取り付けるための「引掛シーリング」だけが設置されていることがほとんど。実際の照明器具は含まれていないケースが一般的です。
照明は単に部屋を明るくするだけでなく、空間の雰囲気づくりや生活の快適性を大きく左右します。リビングには温かみのある照明、キッチンには作業効率を高める明るい照明など、場所ごとに最適な照明を選びましょう。
3位：カーテンレール
意外かもしれませんが、カーテンレールも標準仕様に含まれていないことが多いです。費用相場は5万〜10万円程度。
どうして必須なの？
プライバシー保護や日差し調整のためにカーテンは必須アイテム。そのカーテンを取り付けるレールがなければ、入居初日から困ることになります。特に寝室や浴室の窓は、プライバシー確保の観点からも優先度が高いでしょう。
4位：網戸
網戸は外気に含まれるホコリや虫の侵入を防ぐために欠かせない設備ですが、建売住宅の標準仕様には含まれていない場合が大半です。費用相場は1枚あたり5千〜1万円程度。
春や秋など、窓を開けて過ごしたい季節には必須アイテム。後付けもできますが、サッシメーカーと合わせると統一感が生まれ、開閉もスムーズです。
5位：テレビアンテナ
テレビアンテナも基本的にはオプションとなります。費用相場は3万〜10万円程度。アンテナを設置せずにテレビを視聴する方法もありますが、その場合は月額料金が必要になります。
災害時の情報収集手段としてもテレビは重要。特に地方では、地上波テレビが貴重な情報源となることも。長期的なコスト面でも、アンテナ設置は検討する価値があります。
生活を便利にするおすすめオプション工事
必須のオプション工事に加えて、あると生活がグッと便利になるオプション工事もあります。予算と相談しながら、自分たちのライフスタイルに合わせて選びましょう。
私が新築を建てたとき、思い切って採用したオプションがあります。当初は「贅沢かな」と迷いましたが、今では「あのとき付けておいて本当に良かった」と家族全員が感じています。
シャッター
窓にシャッターを付けると、防犯性と断熱性が大幅にアップします。費用相場は1箇所あたり5万〜10万円程度。特に1階の窓や、道路に面した窓には検討の価値があります。
夏は強い日差しをカットし、冬は冷気の侵入を防ぐ効果も。電動シャッターなら操作も簡単で、高齢になっても使いやすいのが魅力です。
温水洗浄便座
日本では一般的になっている温水洗浄便座ですが、標準装備されていないケースも。費用相場は2万〜8万円程度で、グレードによって価格差があります。
冬場のトイレの快適性が格段に向上するだけでなく、衛生面でもメリットが大きい設備です。最新モデルでは節水・節電機能も充実しており、ランニングコストを抑える工夫もされています。
宅配ボックス
共働き家庭や一人暮らしの方におすすめなのが宅配ボックス。不在時の荷物受け取りに悩まされることがなくなります。費用相場は3万〜7万円程度。
ネット通販の利用が増えている現代では、あると非常に便利な設備です。再配達の手間も省け、配達員の負担軽減にも貢献できます。
バルコニー屋根
バルコニーに屋根を付けると、雨の日でも洗濯物を干せるようになります。費用相場は5万〜10万円程度。特に共働き家庭では、天候に左右されず洗濯物を干せる環境は大きな魅力です。
また、夏場の直射日光を遮る効果もあり、室内の温度上昇を抑える効果も期待できます。
オプション工事の見極め方と失敗しないコツ
オプション工事を選ぶ際、何を基準に判断すればいいのでしょうか。予算内で最大限の満足度を得るためのポイントをご紹介します。
私が住宅展示場で営業マンをしていた頃、お客様からよく聞かれた質問がありました。
「このオプション、本当に必要ですか？」
この問いに対する答えは一つではありません。それぞれの家族のライフスタイルや価値観によって変わってくるからです。
後付けとの費用比較をする
オプション工事を選ぶ際は、必ず後付けした場合の費用と比較しましょう。「実際に住んでみて決めよう」と思っていると、オプション工事よりも高くついてしまうケースがあります。
例えば、床暖房やビルトイン食洗器などは、オプションよりも後付け工事のほうが割高になることが多いです。構造に関わる工事は、建築時に一緒に行うほうが効率的で費用も抑えられます。
生活スタイルに合わせて優先順位をつける
全てのオプションを付けるのは予算的に難しいもの。自分たちの生活スタイルに合わせて優先順位をつけることが大切です。
例えば、料理が好きな家庭ならキッチン周りの設備を充実させる、小さな子どもがいる家庭なら安全対策や収納関連のオプションを優先するなど、家族の価値観に合わせた選択をしましょう。
あなたの家族にとって「あったら嬉しい」ではなく「あったら生活が変わる」オプションは何ですか？
DIYできないか検討する
設備によっては、入居後にDIYした方が安く済む場合もあります。例えば壁紙の張替えや、カーテンレールの取り付けなどは、DIY初心者でも比較的チャレンジしやすい作業です。
ただし、電気や水道に関わる工事は素人判断で行わず、専門業者に依頼するのが安全です。自分の技術レベルを過信せず、適切に判断しましょう。
住宅会社の標準仕様を徹底比較する
住宅会社選びの段階で、各社の標準仕様を徹底比較することも重要です。ある会社ではオプション扱いの設備が、別の会社では標準仕様に含まれていることもあります。
見積もりの金額だけでなく、何が標準仕様に含まれているかをチェックすることで、トータルコストの比較ができます。
住宅展示場で複数の会社を回る際は、「これは標準仕様ですか？オプションですか？」と必ず確認する習慣をつけましょう。
オプション工事で失敗しないための注意点
せっかく選んだオプション工事で失敗しないために、押さえておくべき注意点があります。契約前に必ずチェックしておきましょう。
私の友人は、契約後に「あれもこれも」とオプションを追加した結果、予算を大幅にオーバーしてしまいました。理想を追求するあまり、現実的な判断ができなくなってしまったのです。
予算の上限を先に決めておく
オプション工事の検討を始める前に、まずは予算の上限を決めておきましょう。魅力的なオプションを次々と提案されると、つい予算オーバーしてしまいがちです。
住宅ローンの返済計画に影響しない範囲で、無理のない予算設定を心がけましょう。予算の10〜15%程度をオプション工事に充てるのが一般的な目安です。
将来のライフスタイルの変化を考慮する
現在の生活スタイルだけでなく、5年後、10年後の生活も想像しながらオプションを選びましょう。子どもの成長や家族構成の変化、ライフスタイルの変化を見据えた選択が重要です。
例えば、将来的に在宅勤務が増える可能性があるなら、書斎スペースの確保や通信環境の整備を優先するなど、先を見据えた判断が求められます。
メンテナンスコストも考慮する
初期費用だけでなく、メンテナンスコストも考慮しましょう。高機能な設備ほど、将来的な修理費用や部品交換費用がかかる可能性があります。
特に機械系の設備は、10年程度で更新が必要になることも。長期的な視点でトータルコストを考えることが大切です。
住宅設備のプロに聞いてみました。
「最新の高機能設備は魅力的ですが、シンプルな設備のほうが故障リスクが低く、長く使えることが多いです。本当に必要な機能だけを厳選することをおすすめします。」
まとめ：理想の家づくりに役立つオプション工事の選び方
オプション工事は、標準仕様の家に自分たちらしさを加える大切な要素です。必須のオプションをしっかり押さえつつ、生活を豊かにするオプションを厳選することで、理想の住まいに近づけることができます。
この記事でご紹介したポイントをおさらいしましょう：
- オプション工事とは「標準仕様」からはみ出る部分の工事
- 必須のオプション工事（エアコン、照明器具、カーテンレール、網戸、テレビアンテナなど）は優先的に検討
- 生活を便利にするオプション（シャッター、温水洗浄便座、宅配ボックスなど）は予算と相談
- 後付けとの費用比較、生活スタイルに合わせた優先順位付け、DIY可能性の検討が大切
- 予算上限の設定、将来のライフスタイル変化の考慮、メンテナンスコストの検討も忘れずに
家づくりは一生に一度の大きな買い物。オプション工事の選択に迷ったときは、「この家で暮らす自分たちの姿」を具体的にイメージしてみましょう。本当に必要なものが見えてくるはずです。
理想の家づくりを実現するためには、信頼できる住宅会社選びも重要です。複数の会社の提案を比較検討し、標準仕様やオプション工事の内容、価格などをしっかり確認しましょう。
