追加工事の費用を抑える8つの方法と事前対策

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追加工事とは?家づくりで発生する追加費用の実態

家づくりを進める中で、多くの方が直面するのが「追加工事」の問題です。当初の契約には含まれていなかった工事が途中で発生し、予想外の出費を強いられることがあります。

追加工事とは、建築工事において当初の契約内容に含まれていなかった工事のことを指します。設計変更や予期せぬ事態により、建築途中で新たに発生する工事で、元の契約とは別に新たな契約を結ぶ必要があるのです。

実際、大規模修繕工事においては4割以上のケースで追加費用が発生しているというデータもあります。東洋大学理工学部建築学科秋山研究室と公益財団法人マンション管理センターの調査によれば、実数精算方式の工事項目で、契約金額から追加精算になることが多いと回答した割合は43.8%にも上ります。

追加工事が発生している工事現場の様子あなたも家づくりを計画中なら、この追加工事の問題は他人事ではありません。予算オーバーを避けるためにも、追加工事がどのようなケースで発生するのか、そしてどうすれば費用を抑えられるのかを知っておく必要があるでしょう。

追加工事が発生する8つの主なケース

追加工事はどのような状況で発生するのでしょうか。ここでは、家づくりの現場でよく見られる追加工事が発生する8つのケースを詳しく解説します。

これらのケースを事前に理解しておくことで、予期せぬ出費に備えることができます。また、一部は事前の対策によって回避できる可能性もあるのです。

1. 現場の状況が予想より悪かった場合

リフォームや建築を始めてみると、現場の状況が事前の調査よりも悪いことが判明する場合があります。例えば、壁の内部が腐食していたり、配管が劣化していたりすることがあります。

これらは外からは見えないため、工事を進めて初めて発覚することが多いのです。このような場合、追加の修繕が必要となり、費用が増加します。

壁の内部の腐食や配管の劣化が見つかった様子特に古い建物の改修や大規模な構造変更を伴うリフォームでは、隠れた老朽化や劣化が進行していることが多く、工事中に新たな問題が発見されることがあります。

2. 地盤や土壌の問題

建築工事を始める前に、敷地内でボーリング調査を行いますが、全ての箇所を調査するわけにはいきません。実際に杭を打ってみたら、想定していた深さでは杭の先端が固い支持層に届いていないケースもあります。

このような場合、建物の安全性を確保するために追加工事が必要になります。また、地下水位が予想より高かったり、土壌に問題があったりする場合も、追加の対策工事が必要になることがあります。

3. 設計変更や仕様変更

工事途中で施主の要望により設計や仕様を変更することも、追加工事の大きな要因です。例えば、キッチンのデザインを変更したり、追加の設備を導入したりすることが考えられます。

これにより、材料費や工事費が増加し、追加費用が発生することになります。特に住宅設備は、オプションで色々なものを付けたい要望が出てきがちです。

4. 法規制や建築基準の変更対応

工事期間中に法規制や建築基準が変更された場合、それに対応するための追加工事が必要になることがあります。これは施主側にも施工会社側にも予測できないことですが、法令遵守のためには避けられない追加費用となります。

建築業界は法律や規制の影響を大きく受けるため、建築業法や安全衛生法などの法律の変更、または新たな規制の導入により、追加工事が必要となることがあります。

5. 工期延長に伴う費用増加

様々な理由で工期が延長されると、その分だけ人件費や設備の使用料がかさみ、追加費用が発生することになります。天候不良や資材調達の遅れ、予期せぬ問題の発生などが工期延長の原因となります。

工期が延びると、その分だけ人件費や設備の使用料がかさみ、追加費用が発生することになります。

6. 資材価格の高騰

契約時と実際の施工時で資材価格が高騰した場合、その差額が追加費用として請求されることがあります。特に長期にわたる工事の場合、市場の変動による影響を受けやすくなります。

最近では世界的な資材不足や物流の混乱により、建築資材の価格が急騰するケースも見られます。このような場合、当初の見積もりでは予測できなかった追加費用が発生することになります。

7. 近隣トラブルへの対応

工事中に近隣住民からクレームや要望があった場合、それに対応するための追加工事が必要になることがあります。例えば、騒音や振動、日照の問題などで追加の防音対策や目隠しフェンスの設置が必要になるケースです。

近隣住民の要望により目隠しをしたり、厳しすぎる近隣住民の場合は、値上がりする可能性があります。全体の工事費から見たら微々たる金額かも知れませんが、建設費は、ちょっとした内容で、数百万は違ってきてしまいます。

8. 自然災害による被害

工事期間中に台風や地震などの自然災害が発生し、建築中の建物に被害が出た場合、その修復のための追加工事が必要になります。

大規模修繕工事中に台風や地震などの災害が発生し、マンションに破損が生じると、修繕項目が増え費用が追加されます。ただし、災害による修繕費用は保険が適用されるケースもあるため、工事業者や保険会社に確認する必要があります。

追加工事の費用を抑える8つの方法

追加工事の発生を完全に防ぐことは難しいですが、その費用を抑えるための方法はあります。ここでは、家づくりやリフォームの際に追加工事の費用を抑えるための8つの具体的な方法を紹介します。

これらの方法を実践することで、予算オーバーのリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

1. 複数の業者から見積もりを取る

追加工事の費用を抑えるための第一歩は、複数の業者から見積もりを取ることです。業者によって見積もりの内容や金額に差があるため、比較検討することで適正な価格を見極めることができます。

見積もりを比較する際は、単に総額だけでなく、内訳や仕様、工事範囲などをしっかりと確認しましょう。特に「一式」などと曖昧な表現で記載されている項目については、具体的な内容を確認することが重要です。

複数の見積書を比較検討している様子あまりにも安すぎる見積もりには注意が必要です。後から多額の追加費用を請求される可能性があります。インターネットで解体工事の相場や口コミ、公式サイトなどをチェックし、信頼できる業者を見つけることが大切です。

2. 詳細な事前調査を依頼する

追加工事の多くは、事前調査の不足によって発生します。特に古い建物のリフォームや地盤に不安がある場合は、詳細な事前調査を依頼しましょう。

例えば、建物の構造調査や地盤調査、配管の状態確認などを行うことで、工事開始後に発見される問題を事前に把握できます。調査費用はかかりますが、予期せぬ追加工事を防ぐことができれば、結果的にコスト削減につながります。

現地調査ではすべての問題を把握しきれないことがあり、工事が進むにつれて新たな課題が浮上することがあります。そのため、見積もりには一定の予備費用が含まれていることが多いです。

3. 契約書の内容を詳細に確認する

契約書には工事の範囲や仕様、追加工事が発生した場合の取り扱いなどが記載されています。これらの内容を詳細に確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。

特に「別途」と記載されている項目や、「一式」などと曖昧な表現で記載されている項目については、具体的な内容を確認することが重要です。また、追加工事が発生した場合の決定プロセスや費用の算出方法についても、事前に確認しておくことが望ましいです。

見積もり書に「◯◯一式」などと記載されている項目は、具体的な範囲や作業内容が不明確なため、施主にとっては想定していない箇所で後から追加費用が発生するリスクがあります。

4. 予備費用を予算に組み込む

家づくりやリフォームの予算を立てる際は、必ず予備費用を組み込んでおきましょう。一般的には、総工事費の5〜10%程度を予備費用として確保しておくことが推奨されています。

これにより、追加工事が発生した場合でも、予算内で対応することができます。予期せぬ事態に備えて、ある程度の予備費を予算に組み込んでおくことは賢明な対策と言えるでしょう。

大規模修繕の追加費用の対策として、5~10%の予備費を確保しておくことが重要です。また、第三者のコンサルティングに見積もりの妥当性をチェックしてもらうことも効果的です。

5. 工事の優先順位を決める

すべての工事を一度に行うのではなく、優先順位をつけて段階的に進めることも、追加費用を抑える方法の一つです。

例えば、構造に関わる部分や水回りなど、生活に直結する部分を優先し、内装や設備のグレードアップなどは後回しにすることで、予算の調整がしやすくなります。また、工事を分散させることで、一度に大きな出費を避けることもできます。

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6. 設計変更を最小限に抑える

工事開始後の設計変更は、追加費用の大きな要因となります。計画段階でしっかりと検討し、工事開始後の変更を最小限に抑えることが重要です。

もし変更が必要な場合は、早い段階で決断し、関連する工事に影響が出る前に対応することで、追加費用を抑えることができます。工事が進むほど変更のコストは高くなるため、早めの決断が鍵となります。

リフォームの計画段階で希望内容を明確にしておくことが重要です。具体的なイメージを持ち、計画をしっかりと立てることで、後からの変更を減らすことができます。

7. 工事の進捗を定期的に確認する

工事の進捗を定期的に確認し、問題が発生した場合は早期に対応することで、追加費用を最小限に抑えることができます。

現場訪問や施工会社との定期的な打ち合わせを通じて、工事の状況を把握しましょう。問題が大きくなる前に対処することで、追加工事の規模と費用を抑えることができます。

工事中に想定外の工事が発生すること自体は決して珍しいことではありません。大切なのはその可能性と対応について、解体業者と施主の間ですり合わせができているかどうかです。

8. 保険の適用可能性を確認する

工事中に自然災害などによる被害が発生した場合、保険が適用される可能性があります。工事保険や建物保険の内容を確認し、適用可能な場合は請求手続きを行いましょう。

また、施工会社が加入している保険についても確認しておくことが重要です。万が一の事故や損害に備えて、「請負業者賠償責任保険」や「第三者賠償責任保険」への加入状況を確認しておくと安心です。

解体工事は近隣の方に迷惑をかけるケースが少なくありません。万が一の際のために、請負業者賠償責任保険や第三者賠償責任保険への加入有無について、契約前に尋ねてみることをおすすめします。

追加工事を防ぐための事前対策

追加工事の費用を抑えるだけでなく、そもそも追加工事が発生しないようにするための事前対策も重要です。ここでは、家づくりやリフォームの際に追加工事を防ぐための具体的な対策を紹介します。

これらの対策を実践することで、予期せぬ追加工事のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

信頼できる業者の選定

追加工事を防ぐための最も重要な対策は、信頼できる業者を選ぶことです。実績や評判、資格、保険の加入状況などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。

また、見積もりの内容や説明の丁寧さ、質問への対応なども、業者選びの重要なポイントです。安さだけで業者を選ぶと、後から多額の追加費用を請求される可能性があるため注意が必要です。

残念ながら解体業者のなかには一部悪徳業者も混ざっています。安い見積もりを提示することで仕事を請け負い、後戻りできない状況を作り、そして多額の追加費用を請求する、そのような手口を使う業者もいるかもしれません。

詳細な計画と仕様の決定

工事開始前に、できるだけ詳細な計画と仕様を決定しておくことが重要です。間取りや設備、材料などについて、具体的なイメージを固めておくことで、工事開始後の変更を減らすことができます。

また、設計図や仕様書などの書類をしっかりと確認し、不明点があれば質問しましょう。曖昧な部分を残したまま工事を始めると、後から認識の相違が生じ、追加工事につながる可能性があります。

追加工事の内容や費用の認識が一致しないことはよくあるトラブルです。口頭での追加工事の依頼も避け、必ず書面で内容と費用を確認しましょう。

第三者による専門的なアドバイス

特に大規模な工事や専門知識が必要な場合は、第三者の専門家にアドバイスを求めることも有効です。建築士やホームインスペクター(住宅診断士)などの専門家に相談することで、潜在的な問題を事前に把握し、適切な対策を講じることができます。

専門家の目を通すことで、施工会社が見落としている問題や、将来的なリスクを発見できる可能性があります。費用はかかりますが、大きなトラブルや追加工事を防ぐことができれば、結果的にコスト削減につながります。

第三者のコンサルティングに見積もりの妥当性をチェックしてもらうことも効果的です。専門家の視点から見積もりの適正さを判断してもらうことで、不必要な追加費用を避けることができます。

まとめ:追加工事の費用を抑えて理想の家づくりを実現しよう

家づくりやリフォームにおいて追加工事は避けられない場合もありますが、適切な対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることができます。

追加工事の費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取る、詳細な事前調査を依頼する、契約書の内容を詳細に確認する、予備費用を予算に組み込むなどの方法が効果的です。また、工事の優先順位を決める、設計変更を最小限に抑える、工事の進捗を定期的に確認する、保険の適用可能性を確認するといった対策も重要です。

さらに、追加工事を防ぐための事前対策として、信頼できる業者の選定、詳細な計画と仕様の決定、第三者による専門的なアドバイスを受けることも有効です。

これらの方法と対策を実践することで、予算内で理想の家づくりを実現することができるでしょう。家づくりは人生の大きな買い物です。追加工事の問題に適切に対処し、後悔のない家づくりを実現しましょう。

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